研究課題/領域番号 |
17K11150
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
泉 浩司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (00721531)
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研究分担者 |
河原 崇司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (40555570)
上村 博司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50244439)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / アンドロゲン / アンドロゲンレセプター / 抗アンドロゲン療法 |
研究実績の概要 |
膀胱癌は男性に3-4倍多く発生し、基礎研究でアンドロゲンレセプター(AR)シグナルの関与が報告されてきた。我々は前立腺癌に対する抗アンドロゲン療法(ADT)が膀胱癌の再発を抑制することを世界で初めて報告(Oncotarget. 5, 12665-74)した。臨床的にも我々の報告につづき、膀胱癌の発生、再発についての後ろ向き研究で抗アンドロゲン療法の有効性が複数報告されてきている。このような背景から、前立腺癌で確立している安全性の高い抗アンドロゲン療法の膀胱癌へのドラッグリポジショニングを目指し、前向き臨床試験を検討している。一方、膀胱癌におけるARの作用メカニズムの解明を目指し、同一患者で抗アンドロゲン療法前後に再発した膀胱腫瘍の手術検体からRNAを抽出し、マイクロアレイによりTranscriptomeを解析、転写因子であるARの標的分子を網羅的に探索した。この中からいくつかの候補遺伝子を抽出し、膀胱癌細胞株を用いてそれらの候補遺伝子の確認を行っている。AR発現している膀胱癌細胞株、同細胞株のARノックアウト細胞株、AR陰性でARを強制発現させた細胞株等を用いて遺伝子XがARシグナルによって発現制御されていることが分かってきている。今後、遺伝子Xについてマウスを用いて機能解析を行うことで、膀胱癌におけるARシグナルの標的分子であることを確認されれば、新たな膀胱癌の治療標的となることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までに細胞株実験を終えて、マウス実験に移行する予定であったが、細胞実験の結果が出ず、新規のターゲットの絞り込みを行っているため
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今後の研究の推進方策 |
網羅的探索で抽出した膀胱癌におけるAR標的分子に関して細胞実験で予想通りの結果が出なかったため、他の候補遺伝子についての解析を行っていく。明らかなフェノタイプが確認できた場合にはマウス実験によってより詳細な機能解析を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では候補遺伝子の絞り込み、マウス実験、プロテアソーム解析等の機能解析に進んでいる予定であったが、これが遅れたため。今後複数の候補遺伝子を同時に検討していき、ターゲットを絞り込んでいく予定。
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