研究課題
基盤研究(C)
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の治療の改善を目指し、前立腺癌の新規標的であるAKR1C3の強力かつ特異的阻害剤を創製した。また、酵素-補酵素-阻害剤の三者複合体のX線結晶構造解析にも成功し、阻害機構を解明した。また、AKR1C3阻害剤は既存のCRPC治療薬の抗癌活性の増強効果や耐性克服効果を示したことから、抗癌剤耐性前立腺癌の耐性克服への有効な新規アジュバント薬になると示唆された。
泌尿器科学
前立腺癌は10年生存率が95%を超える比較的予後の良い癌として知られるが、世界的に罹患率の高い癌であり、一般的には欧米人に多いとされてきたが、本邦でも高齢化、食の欧米化などを背景に急速に患者数が増加し、最新がん統計では胃癌に次いで2番目に高いがん罹患率を示す。また、内分泌療法の長期継続によって治療が困難な去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)へと移行することが問題である。本研究成果は、CRPC患者における生活の質の向上を目指し、既存治療薬の効果の最大化に向けた有益な知見を与えることが期待される。