• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

ゲノム不安定性に着目した浸潤性膀胱がん遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11154
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

山田 健司  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80566232)

研究分担者 安井 孝周  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40326153)
安藤 亮介  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30381867)
内木 拓  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50551272)
戸澤 啓一  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40264733)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード膀胱浸潤癌 / ゲノム不安定性 / UQCRB
研究実績の概要

膀胱発がん動物モデルで同定されたCNA領域におけるヒトとの相同性について、データーベースを用いて検討を行い、ヒトとの相同性が判明している領域より、マウス染色体13領域のUqcrbに着目し、そのorthologにあたるヒトのUQCRB遺伝子を中心として本研究を進めることとなった。UQCRBはミトコンドリアの複合体Ⅲを形成するサブユニットの1つで、低酸素状態における血管新生に活性酸素種を誘導することを介して固形がんの進行に関与するという報告も成されているため、 ヒト膀胱がん細胞株でsiRNAを用いて膀胱がん細胞株のUQCRBのノックダウンを行うことで、浸潤性膀胱がんの発症のメカニズムを解明し、診断法や治療法への発展を目的とした。
当研究室にて保管しているヒト膀胱がん由来の細胞株 (RT4, T24)を用いて機能解析を行った。UQCRBのsiRNAをリポフェクション法を用いて導入することで標的遺伝子をノックダウンし、RT-PCR法、Western bloting法でノックダウンの効率を確認した。
HIF1aの発現をWestern blotting法で確認したが有意な差は見られなかった。そのため低酸素状態にてインキュベートすることで、血管新生関連タンパクであるHIF1αの発現を確認し、低酸素状態での検討を追加した。UQCRBをノックダウンし低酸素状態にてインキュベートすることでも、HIF1aのタンパク発現には有意な差を認めなかった。低酸素状態でのインキュベート時間やノックダウン効率の問題であるのか現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

UQCRBのノックダウン効率が安定しないこと、また低酸素状態でのインキュベート時間の検討が十分でないことより、Western blotting法でのタンパク発現量の再現性に乏しい。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、ヒト細胞株を用いてUQCRBをノックダウンすることで機能解析を行う。Western blotting法だけでなく、蛍光免疫染色での細胞数カウント、フローサイトメトリーも考慮する。この研究を発案するに至った膀胱癌マウスを用いての免疫染色でHIF1aのみではなく、iNOS、VEGFなどの血管新生関連タンパクを染色してみることで打開策を講じる。また、凍結標本よりタンパクを抽出してのWestern blotting法やRT-PCR法を用いての検討も考えている。さらに当科で保管しているヒト膀胱がん標本に対しPinpointTM Slide DNA Isolation Systemを用いてgenomic DNAを抽出し、UQCRBのCNAおよびタンパク発現を全摘標本とそれ以前に行われたTUR組織で比較することでその経時的変化を確認する。その結果によってはUQCRBをターゲットとした治療薬であるTerpestatinやHDNTを用いてのin Vitro、in Vivoの実験を行う予定とする。

次年度使用額が生じた理由

ゲノム解析中にシステム上のトラブルがあり、一時期解析が中断し研究が遅れたため次年度使用額が生じた。UQCRBのノックダウン効率を安定化させ、また低酸素状態でのインキュベート時間の検討を十分に行い、浸潤生膀胱癌の発症メカニズムを解明していきたい。

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi