癌ではエネルギー代謝異常(酸素からブドウ糖へのエネルギー源のシフト)や免疫回避(免疫細胞からの攻撃をかわす)が見られますが、実際に摘出した手術組織を用いて、腎細胞癌におけるエネルギー代謝異常を、中学生で学ぶTCA回路(クエン酸回路)におけるFHやSDHの遺伝子やタンパク質の異常で解析し、また、免疫回避機構の異常をPD-L1のタンパク質の異常を検討できたことは学術的な意義があると考えます。更に、抗酸化作用も癌の抑制に関与していることが知られていますが、この抗酸化作用に中心的な役割を果たしているNrf2の遺伝子変異やタンパク発現異常が腎細胞癌の進行と関連があることも報告できました。
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