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2019 年度 実績報告書

尿路上皮癌における癌幹細胞性に着目した新規治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K11157
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

菊地 栄次  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10286552)

研究分担者 小坂 威雄  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30445407)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード尿路上皮癌 / 癌幹細胞 / 抗癌剤耐性 / シスプラチン
研究実績の概要

CD44vを制御すると報告されている、潰瘍性大腸炎の治療薬であるサラゾスルファピリジン (sulfasalazine: SSN)を用いてMBT-2V膀胱癌細胞株 (高率に肺転移を生じる株)に対するシスプラチン (CDDP)の殺細胞効果増強の可能性をin vitroで検証した。SSZは濃度依存性に殺細胞効果を認め、同時にROSの産生増加が確認された。CDDP単独治療に比べてSSZを加えることによりMBT-2V細胞の殺細胞効果の増強が確認された。SSN治療によりCD44v9の発現は有意に低下し、またphospho-p38MARKの発現は有意に上昇した。MBT-2V細胞をマウスに尾静注し作成されたマウス膀胱癌肺転移モデルを作成した。本モデルを用いてSSZの治療効果を検討した。SSZは500mg/kgを2日投1日休で腹腔内投与し、CDDPは2mg/kgを1日投4日休で腹腔内投与した。腫瘍移植後15日目の平均肺転移巣数は無治療群で114.3個、SSZ単独治療群で50.6個、CDDP単独治療群で69.2個であったが、SSZ+CDDP併用治療群では15.5個であり、有意に少なかった。以上のことからCD44vを制御するとされているSSZはROSの産生抑制を介してCDDPの殺細胞効果を増強させることは確認された。またSSZ+CDDP治療は肺転移を有する膀胱癌の新規治療戦略になりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 癌幹細胞を標的としたスルファサラジン膀胱内注入治療の効果2019

    • 著者名/発表者名
      荻原広一郎、菊地栄次、田中伸之、小坂威雄、佐谷秀行、大家基嗣
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-01-27  

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