研究課題
去勢抵抗性前立腺癌(Castration Resistant Prostate Cancer: CRPC)は難治性であり、新規治療戦略の確立は泌尿器科医に課せられた急務の課題である。本研究は不均一性と可塑性の解明と新規治療戦略のため、liquid biopsy検体と抗がん剤耐性ヒトCRPC細胞 株細胞株から得られたオミックスデータを統合し、CRPCにおける患者個別化分子モニタリングのための新規バイオマーカー同定、遺伝子発現プロファイルからの 新規薬剤スクリーニングを目的とする。平成31年度は、侵襲かつリアルタイムliquid biopsy検体収集システムの確立;血液循環がん細胞CTCにおける数的意義と、蛋白抗原の発現解析を昨年度に引き続き実施した。 CTCは不均一性を内包する複数病変に由来しているため、ゲノム情報の全体像に近い情報を含むと考えられる。流体力学を応用した次世代の新規CTC回収システムを応用し、マーカーで選別しない、ラベルフリーによるCTCの回収率向上に成功し、ラベルフリーによるCTCにおけるシングル解析によりRNAの発現解析が一細胞レベルで可能であることが確認できた。数的意義については、治療早期のCTCの低下は有意な予後予測因子であることが明らかになった(論文投稿中)平成31年度 はcfDNAのシステムの確立と解析を進めた。転移性・再発性前立腺がん患者において、cf-DNAを回収しNGS解析を実施した。同時期に採取した生検検体との、比較により、検出された遺伝子変異を統合解析したところ、共通した遺伝子変異を同定することができた。引き続きマーカー探索を継続していく予定である。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Diagnostic Pathology
巻: 15 ページ: 916-919
10.1186/s13000-019-0916-z
Cancer Science
巻: 110 ページ: 1431~1441
10.1111/cas.13960
BMC Cancer
巻: 19 ページ: 5782-5784
10.1186/s12885-019-5782-2
Clinical Genitourinary Cancer
巻: 17 ページ: e897~e902
10.1016/j.clgc.2019.06.005
Pathology International
巻: 69 ページ: 715~720
10.1111/pin.12860
http://www.keio-urology.jp/