研究課題
本研究では、固形悪性腫瘍の微小環境における特有のアミノ酸代謝リプログラミング機構およびオートファジー誘導の機序を解明し、同現象と抗癌薬耐性および免疫抑制現象との関連を明らかにすることで、進行癌の飢餓環境における生存に重要なマーカーおよび新規治療体系を確立することを目的とした。前立腺癌組織のアミノ酸トランスポーターの免疫組織学的検討を行った。具体的には、L-type amino-acid transporter 1(LAT1)およびLAT3 と病理学的悪性度の関連を検索した。さらに、特異的代謝経路としてのトリプトファン・キヌレニン経路の定量実験として、血清、尿、組織中キヌレニン/トリプトファン比の定畢を施行する実験系を作成した。前立腺立癌組織中の LATl および LAT3 と病理学的悪性度には明らかな相関関係が認められないので、継続を断念した。血清、尿、組織中キヌレニン/トリプトファン比と病理学的悪性度に相関傾向を認めた。現在、前立腺癌組織中のIDO-1発現と免疫細胞の局在についての研究を継続している。さらに、グルタミントランスポートの系に異常がある可能性を見いだしたので、新たな実験系を構築中である。
3: やや遅れている
前立腺立癌組織中の LATl および LAT3 と病理学的悪性度には明らかな相関関係が認められななかったが、その確証を得るのにかなりの時間を要した。他のアミノ酸トランスポーターの関与の可能性を模索するのに研究時間の大半を要してしまったことも大きな要因と考えている。
現在、前立腺癌組織中のIDO-1発現と免疫細胞の局在についての研究を継続している。さらに、グルタミントランスポートの系に異常がある可能性を見いだしたので、新たな実験系を構築中である。
現在、前立腺癌組織中のIDO-1発現と免疫細胞の局在についての研究開始・継続している。この研究のために、前立腺癌免疫組織学的染色用のプレパラート作成、抗体購入などに研究費を使用する計画である。さらに、グルタミントランスポートの系に異常がある可能性を見いだしたので、新たな実験系を構築し、メタボローム解析用の予算が必要である。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)
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