研究課題/領域番号 |
17K11166
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
川村 貞文 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (40292213)
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研究分担者 |
佐藤 賢一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (10282055)
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (40509262)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | PDX |
研究実績の概要 |
腎癌は、泌尿器悪性疾患のなかで前立腺癌、膀胱癌に次ぐ3番目に罹患率の高い悪性腫瘍であるが、死亡率は約40%と最も高いことが特徴である。腎癌は転移傾向の強い癌であり、診断時には約40%の例で転移性腫瘍が存在する。転移例の生存率中央値は約13ヶ月、5年生存率は9%と極めて予後不良である。近年、分子標的治療薬の出現により転移性腎癌患者の治療は大きな進歩を遂げたが、根治は期待できず、いずれは耐性化し増悪することが問題となっている。したがって、転移性腎癌に対する治療効果を高めるために、全く新しい治療標的を探索することは極めて切実な課題である。 分子標的薬の出現により、転移性腎癌の治療は大きく進歩した。しかし、いずれは耐性化し、増悪することから、新しい治療法の開発が急務である。申請者の基礎検討により、Long non-coding RNAのHOTAIRが転移性腎癌症例に選択的に高発現しており、予後不良因子であることを世界に先駆けて明らかにした。次いで、HOTAIRが腎細胞癌の遊走、浸潤能を増強することを証明し、マイクロアレイ解析を用いて標的遺伝子を複数個同定した。これらの一連の研究成果を踏まえ、本研究は難治性腎癌に対する画期的な治療法開発を最終目標に、HOTAIRの悪性化促進機序の関連を解明し、HOTAIRを標的とした治療の有効性を検証することを目的とする。 本年度は、HOTAIRの発現と臨床情報との相関を、自験例を用いて解析した。また、HOTAIRが微小環境のリンパ球に与える影響を末梢血リンパ球を用いて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
末梢血リンパ球を用いた解析の条件検討に、予定以上の時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
1)腎癌手術検体におけるHOTAIRの発現と臨床因子の関連を解析する;2)HOTAIRによって制御される分子を網羅的遺伝子解析にて同定し、機能解析を行う;3)腎癌悪性化と関連する癌幹細胞特性、癌代謝との関連をHOTAIR発現抑制or 亢進腎癌細胞を用いて明らかにする; 4) HOTAIRがTAMやMDSCの集簇に関与しているか解明する;5)HOTAIRを治療標的としたSi RNA の開発および効果の検討
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次年度使用額が生じた理由 |
末梢血リンパ球を用いた解析の条件検討に予定以上の時間がかかっているため、他に予定していた実験が遅れている。次年度に他の実験も含めて急ぎ進める。
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