研究課題/領域番号 |
17K11169
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研究機関 | 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)) |
研究代表者 |
東 剛司 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)), 泌尿器科, 部長 (50719854)
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研究分担者 |
久米 春喜 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10272577)
佐藤 雄二郎 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)), 泌尿器科, 医員 (40770871)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腫瘍免疫 / 膀胱癌 / イムノチェックポイント / B7-H3 |
研究実績の概要 |
膀胱癌は臨床的特徴より筋層非浸潤性膀胱癌と筋層浸潤性膀胱癌の二つに大別される。前者は、頻回な再発が問題であり、治療としてBacille de Calmette et Guerin (BCG)の膀胱内注入療法が行われる。後者は、転移を来たし致死的な経過をたどることが問題であり、一般的には化学療法が施行される。しかし、これらの治療効果は限定的であることが臨床において問題となっている。 血清中の可溶型B7-H3濃度は筋層非浸潤性膀胱癌患者において、健常人と比べて有意に増加していた。この結果から、有効な血清腫瘍マーカーになりうることが示唆された。また、可溶型B7-H3は、筋層非浸潤性膀胱癌患者の非再発生存率と非進行生存率とも関連を認めたことより、有効な予後予測因子になりうることが示唆された。さらに、日常診療において、頻用されるEuropean Organization for Research and Treatment of Cancer (EORTC)のリスク分類におけるintemediate-low と intermediate-highのグループで、可溶型B7-H3の有無が、非再発生存率と非進行生存率との関連を認めた。この結果は、予後予測の更なる改善につながると考えられる。 また、マウスの解析において、膜型B7-H3のT細胞に対するダイレクトな有意な抑制作用は認めなかった。 B7-H3を介した免疫系のさらなる解析により、新たな免疫治療への開発の可能性が期待できる。今後の研究の蓄積が待たれる。
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