研究課題
環境省「子供の健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加している対象者のうち、平成24年から行って我々の行っている追加調査に同意し、出生時調査として母体尿・出生時の臍帯血・入院中の母体血の採血・出生時の肛門性器間距離、第2 指・第4 指の長さ、男児の陰茎長、精巣容積の測定を行った母児約1600 組に対して3歳時調査を行った。3歳時調査は、両手のコピー・アンケートによる性役割行動調査・3 歳時点での化学物質曝露評価のため尿の採取を行った。現時点で986組より回収が可能であり、回収率は65.6%であった。さらに、追加調査の出生時調査のデータが揃いおよび3歳時調査の回収が可能であった対象者の妊娠初期の環境化学物質曝露測定を目的に、妊娠初期母体尿の化学物質(フタル酸エステル類10化合物:MEHP/MEHHP/MEOHP/MiBP/MECPP/MBzP/MiNP/cx-MiNP/OH-MiNP、ビスフェノール類3化合物:BPA/BPF/BPS)の測定を232検体で行った。以前に測定した282検体と合わせて、計514検体の測定が終了した。現在出生時調査における身体所見と3歳時調査における身体所見や性役割行動調査の関係や化学物質曝露と3歳時調査で得られた所見の関連を検討中である。環境化学物質曝露の影響が遺伝子多型の修飾を受ける可能性を探索するため、北海道大学環境健康科学研究教育センターが施行している出生コホート“北海道スタディ”への参加者を対象に、臍帯血を用いてエストロゲンレセプター1(ESR1)遺伝子の遺伝子多型を調査した。ESR1遺伝子一塩基多型としてPvuII (rs2234693)、XbaI (rs9340799)、rs2077647についての解析を行った。
2: おおむね順調に進展している
3歳時調査の回収や化学物質の測定、遺伝子多型の解析などを施行しており、おおむね順調に進行していると考えられる。
今後、現在出生時調査における身体所見と3歳時調査における身体所見や性役割行動調査の関係や化学物質曝露と3歳時調査で得られた所見の関連を検討するとともに、臍帯血中の性ホルモン濃度の測定・遺伝子多型の検討を行い、胎児期の環境化学物質曝露が身体所見・性役割行動・性ホルモン能動に与える影響を検討するとともに、遺伝子多型による修飾の可能性を検討する。
3歳時調査の回収が65%程度であったことから予定より低額で進んでおり、次年度使用額が生じた。繰越金は次年度の性ホルモン測定や遺伝子多型の解析に使用する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 1件)
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