研究課題
前立腺肥大症と慢性前立腺炎の症状発症(特に知覚路)機序解明を目指し、下部尿路部分閉塞(BOO)モデルおよび慢性前立腺炎モデルを用いて、検討を進めた。BOOモデルラットでは、増強した膀胱微小収縮に同期して、Aδ線維とC線維の両者の活動性が間歇的に増大することを見出し、論文報告済である。一方、慢性前立腺炎モデルラットについては、ホルマリンを前立腺に局所注射する手法を用いて、経時的排尿行動測定(FVC)および組織学的評価を行い、モデル動物としての妥当性を検討したが、モデル動物としての妥当性を見出せていなかった。そこで、λカラゲニンを前立腺に局所注射する方法を試みた。その結果、前立腺注入部には浮腫、炎症、虚血を認め、下腹部の機械的刺激に対し、痛みの閾値が変化(感受性が増大していた)。他方、膀胱機能においては、膀胱内圧測定上、蓄尿機能・排尿機能に関わる顕著な変化は観察されず、膀胱伸展に応答する求心性神経活動を測定した結果、偽手術群との大きな変化は認められなかった。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Sci Rep.
巻: 10(1) ページ: 4182
10.1038/s41598-020-61106-y.
J Pharmacol Exp Ther.
巻: Epub ahead of print ページ: ー
10.1124/jpet.119.263616.
Neurourol Urodyn.
巻: 38(4) ページ: 1067-1075.
10.1002/nau.23952.
Br J Pharmacol.
巻: 176(14) ページ: 2525-2538.
10.1111/bph.14658.