研究課題
基盤研究(C)
本研究では膀胱虚血マウスモデルにおけるNrf2の役割について検討を行った。L-NAMEをC57BL/6マウスに1週間投与すると膀胱の血流が低下し、Nrf2の発現が亢進しており、酸化ストレス、炎症がみられ、さらに機能的には頻尿を呈することが示された。一方でNrf2ノックアウトマウスでは膀胱血流の低下は同程度であったが、組織学的障害は悪化し、排尿間隔はさらに短縮することが示された。以上より、虚血による過活動膀胱の病態にNrf2が保護的に関与していることが明らかとなった。
泌尿器科
過活動膀胱をはじめとする下部尿路症状の管理は、高齢化がすすむ本邦において健康長寿を目指すうえで近年ますます重要性が増している。過活動膀胱は複数の原因により引き起こされることが示唆されているが、膀胱の血流低下が原因の一つであると言われている。本研究では膀胱虚血に伴う過活動膀胱の病態にNrf2が保護的に関与していることが明らかとなった。今後、Nrf2を標的とした新規治療の開発の可能性が示唆された。