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2019 年度 実績報告書

排尿筋低活動におけるウイルスベクターを用いたニューロトロピン遺伝子治療の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K11180
研究機関名古屋大学

研究代表者

馬嶋 剛  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90625138)

研究分担者 宮川 世志幸  日本医科大学, 医学部, 講師 (90415604)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード遺伝子治療 / 排尿筋低活動 / ニューロトロピン
研究実績の概要

前年度までの研究により、NGF及びBDNF遺伝子を搭載した単純ヘルペスウイルスベクターが排尿筋低活動モデルラットの膀胱機能を改善することが示された。次のステップとして、これら二つの遺伝子を同時に搭載した単純ヘルペスウイルスベクターが、相加相乗効果を有さないかについて検討を行った。前年度までと同様に、骨盤神経の圧挫による排尿筋低活動モデルラットを作成した。その2週間後にGFP遺伝子、NGF遺伝子、BNDF遺伝子、NGF+BDNF遺伝子を搭載したウイルスベクターをそれぞれ膀胱壁に投与した。2週間後に各種検査を行った。
膀胱内圧測定では、GFP群に比べて、NGF+BDNF群で排尿効率及び残尿量の有意な改善を認めた。しかしながら、NGF群またはBDNF群に比べて有意な差は認められなかった。
それぞれの群から採取した膀胱より切片を作成し、organ bath studyを行った。NGF+BDNF群は、GFP群に比べて、カルバコール、KCL、経壁神経電気刺激による膀胱収縮性の有意な増強を認めたが、NGF群またはBDNF群に比べて有意な差は認められなかった。検査後にそれぞれのラットから骨盤神経節及び後根神経節を採取した。免疫染色にてNGF、BDNF、GFPの発現を調べた。それぞれの群においてそれぞれ搭載した遺伝子由来の蛋白の発現が確認され、ウイルスベクターにより目的とした遺伝子導入が行われていることは確認された。
以上より、単純ヘルペスウイルスベクターを用いたNGF及びBDNF遺伝子導入は、排尿筋低活動に一定の効果を有することが示された。しかしながら、我々の予想した相加相乗効果は認められなかった。治療効果の持続期間や副作用などについて引き続き検討を行っていく予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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