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2018 年度 実施状況報告書

尿路結石にあるGlaタンパク質Protein Zの石灰化および動脈硬化との関連

研究課題

研究課題/領域番号 17K11191
研究機関帝京大学

研究代表者

金子 希代子  帝京大学, 薬学部, 教授 (90147075)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード尿路結石 / COM結晶の生成 / protein Z
研究実績の概要

平成30年度は、平成29年度に購入した顕微鏡システムを使って、シュウ酸カルシウム一水和物(COM)の結晶化過程を、ヒト腎臓の尿細管に由来するHK-2細胞を用いて確認した。HK-2細胞をコンフルエントになるように培養した後、その細胞の上でCOM結晶化を行い、結晶の大きさと数を確認した。私達が尿路結石中から発見している血液凝固に関わるGlaタンパク質であるProtein Zと、既に発見されているOsteopontin、Prothrombin の3つのタンパク質は、COM結石から特異的にまた同じバンドから検出されるため、それらを培養したHK-2細胞上に添加した時のCOM結晶の変化も観察した。この結果は、日本薬学会関東支部会(平成30年9月)でポスター発表した。
また、尿路結石の分析に関しては、特殊な結石であるマトリックス結石(腎軟結石)と巨大な膀胱結石について、分析を進めた。はじめに微小領域X線回折装置と赤外分光分析装置を用いて、結石の無機成分を分析した。この結果は、日本薬学会第139年会(平成31年3月)でポスター発表した。また、COM結石と同様に、これらの結石をKCl,ギ酸,グアニジン塩酸,EDTAと4段階で抽出し、SDS電気泳動でタンパク質を分離した。結石に含まれるマトリックスタンパク質のプロテオーム解析については、令和元年度に実施予定である。さらに、平成29年度に実施した混合結石の結果が論文として掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していたヒト尿細管細胞(HK-2細胞)を用いたCOM結晶の生成については、予定通り、研究を遂行することができ、COM結晶化過程を確認することが可能であった。また尿路結石の分析に関しても、今までとは異なる成分の結石の分析を開始した。

今後の研究の推進方策

尿路結石(COM結石)から同時に検出されるProtein Z、Osteopontin、Prothrombin について、タンパク質の相互作用を検討する実験に着手する。3種のタンパク質の比率、インキュベートの有無、カルシウムの有無、ジチオスレイトールによる還元の有無など、条件を変えてNative電気泳動を行い、比較する。また円偏光二色性スペクトルを行い、立体構造の変化を調べたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

倹約して使用したために、次年度使用額が出ています。しかし、研究の継続期間を1年延期したいと考えており、これから2年間の研究費(主に消耗品、論文校閲代など)として使用したいと考えています。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 尿酸結石の再発予防に向けて~尿酸結石の微細分析から~2019

    • 著者名/発表者名
      金子希代子
    • 雑誌名

      日本尿路結石症学会誌

      巻: 17 (2) ページ: 57-68

  • [雑誌論文] Proteomic Analysis of A Urinary Stone with Two Layers Composed of Calcium Oxalate Monohydrate and Uric Acid2018

    • 著者名/発表者名
      K. Kaneko, M.Kabeya, H.Kondo, T. Fukuuchi, N. Yamaoka, M.Yasuda, S.Yamagichi
    • 雑誌名

      Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids

      巻: 37 (12) ページ: 717-723

    • DOI

      10.1080/15257770.2018.1478095.

    • 査読あり
  • [学会発表] 1例の膀胱結石の微小X線回折分析法、赤外分光分析法による成分分析2019

    • 著者名/発表者名
      石田朋子、野地 寛樹、髙栁 ふくえ、福内 友子、 山岡 法子、安田 誠、馬渡 健一、奥 直人 金子 希代子
    • 学会等名
      日本薬学会第139年会
  • [学会発表] 尿酸結石の再発予防に向けて~尿酸結石の微細分析から~2018

    • 著者名/発表者名
      金子希代子
    • 学会等名
      日本尿路結石症学会 第28回 学術集会 Educational Seminar
    • 招待講演
  • [学会発表] HK-2細胞を用いたCOM結晶の生成に対するタンパク質の影響2018

    • 著者名/発表者名
      松尾 基央、山岡 法子、福内 友子、安田 誠、馬渡 健一、奥 直人、金子希代子
    • 学会等名
      第62回 日本薬学会関東支部大会

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公開日: 2019-12-27  

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