研究課題/領域番号 |
17K11191
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
金子 希代子 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (90147075)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 尿路結石 / 赤外分光分析 / 顕微鏡 / 超微量試料 |
研究実績の概要 |
尿路結石中のprotein Zの役割を追求するため、石灰化(リン酸カルシウム)を有する尿路結石の分析に用いる新たな手法として顕微赤外分光光度計による分析を行いたいと考え、装置の使用方法を含め分析方法を確立することから開始した。まず標品の分析を行い、赤外吸収のデータ収集の方法として透過法、反射法、ATR法を検討し、透過法によるダイヤモンドセル内で微細試料の分析を試み、標品を分析できることを確認した。また、実際のサンプルの拡大写真を撮るために、ビデオルーペカメラとパソコンをセットして、尿路結石の撮影を行った。実際のサンプルとして、ヒトの試料ではないが、カワウソの尿路結石から、外辺部、内面部と別々にサンプリングして、その成分が尿酸アンモニウムであることを確認した。ライブラリー検索を実施したがライブラリーには存在しなかったため、標品のライブラリー作成を進め、装置のマニュアルの作成も行った。さらに、腎組織石灰化の成分分析に着手するための分析方法として、微量試料をダイヤモンドセル内にサンプリングして顕微分光光度法で成分を分析する方法を確立した。実際の試料として、イルカの腎組織を分析して、リン酸カルシウムであることを確認した。 尿路結石の測定と平行して、尿路結石と関連するプリン体測定を行う準備を開始し、試薬の調製と測定の準備を進めた。HPLCを申請して設置し、分析方法を再現して、日本人が食することの多い出汁(液体タイプと固体タイプ)とフリーズドライ製品中のプリン体測定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Protein Zについての研究はあまり進展していないが、世界的にも注目度が低く進展がみられていないのが現状である。一方で、研究代表者が主たる研究を行う大学が変わったため、新たに顕微赤外分光光度計を使用することができたため、尿路結石や腎組織を用いた新たな分析方法を確立することができている。
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今後の研究の推進方策 |
石灰化が尿路結石の形成や腎機能の悪化に関連していると考えられるが、その過程の中で Protein Z が関わっている可能性がある。研究費がほとんど残っていないので、今後は、今までに測定したデータを見直すことにより、Protein Z との関わりを調べたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
Protein Z の役割を考察するにあたり、過去に実施したデータの見直しをしたいと考えている。膨大な量のデータがあるため研究補助が必要であり、そのための人件費として、次年度に繰り越した。 データの見直し作業を1年間に3-4回予定している。その際の人件費・謝金として使用する。
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