研究課題
本研究の目的はヒト臨床検体を用いて、先天性尿道形成異常症に関与する新規遺伝子異常の同定と発症メカニズムの解明を目指すことである。平成29年度は主に臨床検体および臨床情報の集積を行った。その結果、臨床検体数を増やし、臨床情報に関する論文を作成し発表した。さらに、先天性尿道形成異常症の尿道下裂は停留精巣を合併することが多い。停留精巣は精子形成異常を呈することが知られている。精子形成異常を呈する男性不妊症(無精子症・乏精子症)患者の原因遺伝子を解析することが尿道下裂の新規原因遺伝子の発見に繋がると考え、先天性尿道形成異常症の新規原因遺伝子候補の探索を目的に日本人無精子症患者40例を用い、次世代シークエンサーによる標的遺伝子の網羅的な遺伝子変異解析を行った。その結果も論文発表した。平成30年度は臨床検体および臨床情報の集積を行い、3家系の尿道下裂兄弟症例を集積した。さらに、日本人無精子症の遺伝子変異解析を追加した結果、その新規原因遺伝子を発見し論文発表した。令和元年度は平成30年度に集積した3家系の尿道下裂兄弟症例のうち1家系の遺伝子解析を行った。その結果、その1家系において先天性尿道形成異常症に関与する新規遺伝子異常の同定はできなかった。本年度は残りの2家系の遺伝子解析を行った。
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