研究課題
元々開発されていたスマートフォン精液検査は、ball lens顕微鏡を用いてスマートフォン上で精子を拡大してみることができるキットであったが、それを応用したスマートフォン精液検査と培養士をオンラインで繋ぐシステム「スグケア」を開発した。使用者は、スマートフォンで撮影した精子の動画をネット上にアップすることにより、オンラインで遠隔地にいる培養士から精液の状態について診断してもらうことができるようになった。スグケアを実際に患者に用いたデータを解析し、現在精液検査を受けている患者の傾向について検討した。不妊治療啓発eラーニング「こうのとりラーニング https://www.el-re.dokkyomed.ac.jp/」を3年前に作成し、このサービスは現時点でより多くの人に利用されている。コンテンツの内容は、最新の論文などの情報をアップすることにより、柔軟にメインテナンスを行い、直接学習者へ配信を行った。プログラムエンジニアに委託し、スマートフォン・タブレット端末等のモバイル端末で学習できるよう、コンテンツの最適化を行った。横浜市や足立区などはこうのとりラーニングを自治体の保健所のページにリンクして、不妊治療の学習目的に利用していただいている。2021年4月の段階で合計1万人以上の利用者があり、現在使用効果を検討している。これらの結果は、国内外の学会で定期的に発表しており、スマートフォン精液検査研究に関しては、3本の原著英文論文がアクセプトされた。今後も、男性不妊治療のスクリーニング目的と、啓発活動目的にこれらのシステムを応用させていきたい。
2: おおむね順調に進展している
スマートフォン精液検査、eラーニングの作成は予定通りの進捗状況であり、現在1万人の利用者における使用効果を評価中である。元々は、使用者の行動の評価を数値化することを目標としていたが、使用者を特定し行動を評価することが困難であったため、行動評価はできなかった。一方、オンラインでスマートフォン精液検査と培養士をつなぐシステムを開発し、現在1,000を超える精液検査データを解析中である。
オンラインでスマートフォン精液検査と培養士をつなぐシステム「スグケア」の使用効果とユーザビリティを評価する。eラーニング「こうのとりラーニング」使用者1万人の使用効果を検討する。最終的な評価を、国内外の学会にて発表予定である。
コロナ禍のため、研究が中断されてしまったため、助成金を使用する機会が少なかった。来年度は、当初の研究計画通り進める予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
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