研究課題/領域番号 |
17K11207
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
岡田 弘 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00177057)
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研究分担者 |
小堀 善友 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (50566560)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | がん経験者 / 妊孕性温存 / 精巣組織凍結保存 / 精子形成 / 体外 |
研究実績の概要 |
前年度にマウス精巣を対象にした精巣組織凍結保存法については、白膜除去精巣組織を、Stem Cell Keep中で、ガラス化法により超急速凍結保存が、最も高率に凍結保存精巣組織から、体外培養で精子作出することが出来ることを明らかにした。 本年度は、現在開発中のこの精巣組織凍結保存技術が将来的に用いられる、Childhood Cancer Survivor (CCS)の保護者を対象にして、これらの技術に対する期待・decision makingにおける影響について訪ねるアンケートを作成中である。 現在確立中の精巣組織凍結保存技術をヒトに応用する際に、利用出来る精巣組織容積が極めて少ない事が予測される。このため、極少数の精子や精巣組織を凍結保存して、可及的に良好な細胞を回収する方法を検討するため、新規の精子・精巣組織凍結のために格納容器の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CCSの保護者に対するアンケート調査を行うために、症例の登録を行っている。現時点で10名のCCS患者(患児)がリストアップされている。 極少数精子を凍結保存するために用いる格納容器に開発を行った。生体適合材料である、アガロースゲルでできたカプセルに注目し、極少数の精子を凍結する方法を検討した。その結果、アガロースゲルカプセルに格納した、数個単位の精子は、回収率95%以上・回収時の生存率90%以上と極めて良好であった。(この結果は、Fertility and Sterility誌に投稿中)
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今後の研究の推進方策 |
1.CCS患者(患児)の保護者に対する、アンケート調査を行う。 2.極少量の精巣組織を凍結保存することに、今回確立したアガロースゲルカプセル法が有用であるか否かを、マウス精巣を用いて以下の面から検討する。 1)凍結保存-融解後の回収出来た細胞数 2)凍結保存-融解後に回収された細胞の生存率 3)凍結保存-融解後に回収された細胞を体外培養による、成熟精子獲得数とこれを用いた顕微授精による産仔獲得率
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、学会旅費に使用する予定であったが参加しなかった。また、人件費・謝金についても該当案件がなかったため使用しなかった。このため次年度使用額が生じている。次年度については旅費および論文校正費等に使用していく予定である。
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