研究課題/領域番号 |
17K11211
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木下 秀文 関西医科大学, 医学部, 准教授 (30324635)
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研究分担者 |
井上 貴昭 関西医科大学, 医学部, 講師 (00411512) [辞退]
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
吉田 健志 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40572673) [辞退]
三島 崇生 関西医科大学, 医学部, 講師 (80460830)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エルゴノミクス / 手術 / 手術動作 / 手術教育 |
研究実績の概要 |
手術を科学するということを大きな目標として、術者の理想的なエルゴノミクスの同定、および、それに基づく教育方法について、解析した。解析方法としては、熟練者と初心者の四肢の位置や動きをの違いを、定量化し、比較した。特に、昨今のロボット補助手術の拡大に基づき、ロボット補助下前立腺全摘出術における、膀胱尿道吻合の動作についてシミュレーター上で検討し、初心者の陥りやすい欠点などが明らかとなった。 例えば、初心者では、ロボットコンソールにおいて手首が肘よりも低い状態での操作時間が長かった、腹腔鏡手術およびロボット補助下手術は、一般的に、自分側から離れる方向への操作が多い(押す方向)。ロボットでは、術者は肘をアームレストに置いて、ロボットのコントロールアームを動かしながら、前腕と手の動きで手術をする。初心者では、肘の角度が開いていき(=手首が肘より足側(低い位置)に移動し)ながら手術操作をする傾向が強い。これは、すなわち手が伸びてしまいながらもさらに無理して手術操作を行っていることに他ならない。これでは、そのポジションからできる動作が限られ、不自由な姿勢で無理な操作をすることになる。これに対して、上級者は、適度に手をニュートラル位置に戻す操作を行い上腕と手の可動範囲をコントロールしている。 また、コントローラーの把持力も手首や前腕の滑らかな動きにとって重要である。力を入れて握りこんだ場合、前腕、上腕、肩にまで不要な力が入り、コントローラーの動きはスムースでなくなる。尿道膀胱吻合の手技で把持力を計測したところ、初心者が、動作中ずっと一定の強い力で把持するのに対して、上級者は把持力を適宜変化させながら(力を抜きながら)吻合動作を行っていることが明らかとなった。 このような上腕のポジションや把持力を指標として、手術教育に取り入れていける可能性が示唆された。
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