プロスタノイドの中でもプロスタグランジン(PG)E2およびPGF2αは、正常な卵巣機能を果たすために重要な脂質メディエーターとして知られる。卵巣形成・機能に必須な転写因子であるsteroidogenic factor-1を卵巣顆粒膜細胞に過剰発現させると、リポカリン型PGD合成酵素L-PGDSの遺伝子発現が亢進した。そこで本研究では、卵巣顆粒膜細胞におけるPGD2の役割解明を目指した。その結果、L-PGDSの発現はマウス卵巣の黄体化によって亢進され、産生されたPGD2はアルドケト還元酵素(AKR1CL)を介することで黄体機能に関与する可能性が示唆された。
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