男性不妊患者の精子では、酸化ストレスによる傷害が増大することが妊娠率低下の原因となっている。本申請では、精子における酸化ストレス応答異常の解明のために以下の研究に着目した。(1)プロテアソームの機能低下は精子の運動性低下を引き起こす。(2)酸化ストレスの増大は精子の機能低下を引き起こす。以上の研究を基盤とし融合することで、酸化ストレス応答が破綻し、結果プロテアソームの機能が低下することが男性不妊を引き起こしているという仮説を提唱し、検証する。その結果、酸化ストレスで発現が上昇するタンパク質Lipin1が欠損マウスにおいて上昇し、精子のミトコンドリア鞘形成を制御している可能性が示唆された。
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