研究課題/領域番号 |
17K11220
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
米田 徳子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (80377283)
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研究分担者 |
齋藤 滋 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30175351)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 早産 / 子宮内感染 / 子宮内炎症 / PCR |
研究実績の概要 |
早産特に在胎28週未満の早産では子宮内感染や絨毛膜羊膜炎(CAM)の頻度は高率だが、これまで非破水例に対する抗菌薬の有効性は証明されていなかった。 我々は独自に開発した偽陽性のない迅速高感度PCR法を用いて羊水中の感染の有無を検索し、未破水切迫早産例の羊水感染例では抗菌薬使用により早産予後が改善し、羊水非感染例では抗菌薬使用により逆に早産予後が悪くなることを報告した(Am J Reprod Immunol 2016)。この結果は起因菌が存在しないにも関わらず抗菌薬を投与した場合、腸内細菌叢が乱れ、早産を引き起こしたと推察された。 Amniotic fluid sludge(AFS)は経腟超音波検査で内子宮口付近に認められる高輝度集塊像で、子宮内感染・炎症や早産との関連が指摘されているが、羊水中病原微生物の詳細な検討の報告はなかった。そこで我々は、未破水切迫早産の羊水中病原微生物の有無を迅速高感度PCR法により検出し、AFSと病原微生物の関連ならびに周産期予後を検討した。その結果、AFSは、子宮内感染ではなく子宮内の炎症を示しており、AFSが存在する症例では、より早期に早産になり周産期予後不良となる確率が高いことを初めて報告した(Am J Reprod Immunol 2018)。問題点として、従来の迅速高感度PCR法では不可能だった羊水中病原微生物の同定と定量については、高度の絨毛膜羊膜炎と関連する菌の同定と定量ができる方法を開発し、現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、迅速高感度PCR法を用いて未破水切迫早産の羊水中病原微生物とAmniotic fluid sludgeに関する論文を発表した。従来の迅速高感度PCR法の問題点 である、菌種の同定と定量についての新たな方法を開発し、現在進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、①羊水感染例の抗菌薬投与による治療効果判定(定量)し、有効性を検証する。②未破水切迫早産とpPROMで適切な抗菌薬投与により 周産期予後が改善するかを検証する。③切迫早産例,早産例,正常妊婦より便,腟分泌物を採取しDNAを抽出後、メタゲノム解析を行うとともに、末梢血の制御 性T細胞をフローサイトメトリーで検索する。④プロバイオティクス製剤投与による介入を従来の治療に加えて行った症例を集計し、腸内細菌叢と妊娠延長期間 との相関を検討し治療効果を検証する。⑤腸内細菌叢の変化と全身の免疫能を比較検討し、プロバイオティクスからみた新たな早産治療法を開発する。⑥臨床検 体の集積。である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が予算よりも少なかった。来年度は迅速高感度PCR用の検査薬に使用する。
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