研究課題/領域番号 |
17K11223
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山崎 玲奈 金沢大学, 附属病院, 助教 (80507062)
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研究分担者 |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (30767249)
保野 由紀子 金沢大学, 大学病院, その他 (80565416) [辞退]
井口 雅史 金沢大学, 附属病院, 助教 (90401918)
毎田 佳子 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20397219)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | タモキシフェン / 乳癌 / 卵巣過剰刺激 / 子宮内膜異常 |
研究実績の概要 |
平成29年度は閉経前乳癌TAM単独ホルモン療法による子宮内膜刺激作用の病態解析として、乳癌治療の3つのプロトコールの患者についての月経周期の有無、E2、P4、FSH、LH値、発育卵胞の数と大きさ、黄体の数、子宮内膜の厚さと形状について統計,解析した。年齢とプロトコールにより、TAM投与時の卵巣過剰刺激反応にも特徴があり、今後論文として報告する予定である。また、卵巣過剰刺激状態と子宮内膜刺激状態に関しては、prospectiveな観察研究をデザインし、倫理委員会にも承認済みで施行中である。内膜異常が疑われた症例では子宮内膜を生検し、病理組織学的に悪性変化の有無を検索したのと同時に平成30年度以降の遺伝子発現および免疫染色による蛋白発現変化の検索に供する予定である。 TAMの培養子宮内膜上皮細胞に対する直接作用の解析については、hTERTを導入して不死化した細胞株にERαおよびERβを強制発現し、これにTAMを添加して、flow cytometry法を用いてintegrinα1-5, β1-3, E-cadherinさらに、CD9およびEph A1とephrin A1の発現変化を比較し、細胞接着関連分子の発現誘導に対するTAMの作用を検討している途中である。また、上記と同様の条件下にmatrigel invasion assayを施行して細胞の移動能に関する作用を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞の遺伝子導入、発現変化の解析に時間を要し、解析結果をだすのはやや遅れているが、観察研究としての統計解析はむしろ進行が早く概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
プロトコールによって生検した子宮内膜において免疫組織染色によるERβの発現変化とp53蛋白の発現異常の有無、およびDNA配列解析によるp53やPTEN遺伝子mutationの有無を検討する。また実験マウスで発現変化が検出された分子群について遺伝子発現および蛋白発現変化を定量RT-PCRや免疫組織染色で検索し、細胞実験やマウス実験で得られた知見を臨床的視点から確認する。 前年度の採取した子宮内膜細胞株よりmRNAを抽出し、microarray法で発現変化している遺伝子群をスクリーニングする。またERαおよびERβの発現の有無における差異を解析し、in vitroにおけるTAMの子宮内膜上皮細胞に対する作用を女性ホルモン受容体の観点から解析する。 遺伝子改変マウスを用いてTAM投与後の子宮内膜変化の解析を進める。 最終年度末には本研究で得られた知見をまとめてTAMを用いた閉経前乳癌患者へのホルモン療法について、卵巣刺激作用や子宮内膜への悪影響の軽減を目指した治療指針案を提案することができるよう研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的な予算執行のため端数が生じた。
次年度は研究計画を遂行するために必要な試薬購入、学会参加等に充てる。
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