研究課題/領域番号 |
17K11234
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
出口 雅士 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (50403291)
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研究分担者 |
山田 秀人 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40220397)
森實 真由美 神戸大学, 医学研究科, 講師 (50514692)
谷村 憲司 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (80593988)
蝦名 康彦 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90322809)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 不育症 |
研究実績の概要 |
非妊時の末梢血では、不育症患者と健常人でTreg細胞割合に差はなく、末梢血NK細胞におけるCD44の発現量もCD16low NKにおいてもCD16high NKにおいても差を認めなかった。CD44同様に末梢血NK細胞におけるCD94陽性細胞割合を検討すると、予想に反して不育症患者では健常人より、CD94+CD16 low NK割合が多かった。また、制御性B細胞(Breg)も不育症患者で健常人より多い傾向があった。 妊娠脱落膜では、Breg割合や抗原の貪食やプロセシングを行い強力な抗原提示細胞として機能する骨髄系樹状細胞 (mDC)の割合については染色体正常流産脱落膜と、染色体異常流産脱落膜や人工妊娠中絶脱落膜との間に差異を認めなかった。子宮NK細胞 (uNK) のうち細胞障害性レセプターであるCD44陽性細胞についての検討ではCD44+/uNK比率は染色体正常流産脱落膜では、人工妊娠中絶脱落膜より有意に高かったが、染色体異常流産脱落膜との比較では有意差を認めなかった。CD44-CD94+の免疫寛容uNK/uNKはCD44+uNKとは逆に染色体正常流産脱落膜では、人工妊娠中絶脱落膜より有意に低いかったが(p<0.05)、染色体異常流産脱落膜との比較では有意差を認めなかった。なお、CD94+ /uNK、およびCD44+CD94-の細胞障害性uNK/uNKについても検討したが、一定の傾向は認めなかった。染色体正常流産とCD44+uNKやCD44-CD94+uNKsとの関係についてはさらなる検討が必要と考えられた。 また、非妊時の末梢血では母児接点の免疫異常を推定することは困難な可能性があり、妊娠初期の末梢血で同様の検討をするなど新たな方策が必要と考えられた。
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