妊娠末期の健常妊婦の胎盤組織から胎児成分である絨毛膜板(CP)および絨毛(CV)と母体成分である脱落膜(DB)とを分離し、それぞれ間葉系幹細胞(MSC)の初代培養を行った。そして、CP-MSC、CV-MSCならびにDB-MSCにおける妊娠関連microRNAの発現パターンを明らかにした。さらに胎盤由来MSCを用いてmiR-518bによって調節され、妊娠高血圧腎症の病態形成に関与していると報告されている13個の候補遺伝子を同定した。母体血漿中の妊娠関連microRNAの妊娠経過に伴う基準値を決定した。この基準値を用いて、正常妊娠と妊娠高血圧症候群とを高い精度で区別できることが確認された。
|