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2018 年度 実施状況報告書

妊娠初期の血中GALECTIN-1及びHSD17B1による妊娠高血圧腎症発症予知

研究課題

研究課題/領域番号 17K11247
研究機関自治医科大学

研究代表者

大口 昭英  自治医科大学, 医学部, 教授 (10306136)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード妊娠高血圧腎症 / 妊娠初期 / 発症予知 / バイオマーカー / 胎盤蛋白質
研究実績の概要

妊娠初期のPP-13がPEで低値を示すことは複数のコホート研究で一致した結果である。しかし、妊娠初期のPP-13単独での早発型早産PEの予知力は偽陽性率12%、感度90%と不十分である(Nicolaides et al. Ultrasound Obstet Gynecol 2006;27:13)。今年度は,妊娠初期妊婦80例についてBioVender社のELISAでHuman Placental Protein 13を測定したところ,平均値±SDは,40.3±19.1 pg/mLであった.一方,妊娠34-37週の妊娠後期妊婦80例について同様の測定を行ったところ,平均値±SDは,111.1±58.2 pg/mLであった.この結果は,「PP-13は妊娠5週から妊婦血中に検出され、20週以降漸増し、娩出後には徐々に減少し検出されなくなる。一方、PEは、妊娠20週未満では正常妊婦よりも低値を示すが、20週以降は逆に正常妊婦よりも有意に高値を示し、分娩後は速やかに低下して検出されなくなる」というこれまでの研究者作成によるELISAの結果と矛盾しないものであった.本研究の結果,「妊娠初期のPP-13濃度の平均値に比較して、妊娠37週前後のPP-13濃度の平均値がおよそ2倍を示した」ことから、以後の予知研究で使用することにした.2019年度以降は,これまでに集積した700例の妊娠初期症例を用いて,PP-13, Gal-1, PlGF, 母体情報(初産経産の別,既往妊娠高血圧腎症・妊娠高血圧既往,非妊時のBMI,妊娠初期の外来血圧レベル,および,妊娠11-13週の子宮動脈血流速度波形を組み合わせて,早発型(<34週未満発症)妊娠高血圧腎症,早産期発症(<37週未満発症)妊娠高血圧腎症の発症予知を検討する.最終年度までに1500例について検討し,開発モデルを作成する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの市販されているELISAによる検討から,HSD17B1は使えないこと,PP-13とGalectin-1(Gal-1)は使えることが分かった.なお,これまでの検討から,妊娠初期のPlGFは妊娠高血圧腎症予知に有用であることはすでにわかっている.症例は順調に集まっており,最終年度までに1500例に達する可能性が極めて高い.研究は順調に計画通り進行している.

今後の研究の推進方策

2019年度以降は,これまでに集積した700例の妊娠初期症例を用いて,PP-13, Gal-1, PlGF, 母体情報(初産経産の別,既往妊娠高血圧腎症・妊娠高血圧既往,非妊時のBMI,妊娠初期の外来血圧レベル,および,妊娠11-13週の子宮動脈血流速度波形を組み合わせて,早発型(<34週未満発症)妊娠高血圧腎症,早産期発症(<37週未満発症)妊娠高血圧腎症の発症予知を検討する.最終年度までに1500例について検討し,開発モデルを作成する予定である.

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公開日: 2019-12-27  

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