研究課題
従来実施してきた「OSAN Study」の協力病院として、獨協医科大学、神戸大学、筑波大学およびそれらの関連病院に加えて、獨協医科大学埼玉医療センターおよびその関連病院を加えて、リクルート体制の充実を図り、新たに300例超のデータが収集され、臨床データ・生活習慣調査票のデータセットおよびDNA・尿サンプルのセットが完成した。妊娠高血圧症候群(HDP)および弛緩出血関連遺伝子(PPH)の探索を行った結果、PPHの新たな候補遺伝子として、主に子宮収縮に関連するオキシトシン受容体遺伝子(OXTR)およびプロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素-2遺伝子(PTGS-2)の多型が検出された(論文投稿中)。また、妊娠高血圧症候群と睡眠、就労ストレス、社会経済的要因との関連などにつき解析を行った(論文執筆中)。飲酒・喫煙、身体活動についても分析を進める予定である。一方、尿サンプルを用いた尿中ナトリウム濃度分析、尿中酸化ストレスマーカー(8-OHdG)分析も行っている(別サンプルにて分析:Nagao M, et al, J Atheroscler Thromb. 2020)。これらの結果から、妊娠中のスポット尿検査補正用にクレアチニン値が妊娠時期に関連して変化すること等が明らかとなり、今後の研究に必要な示唆を与えることとなった(論文執筆中)。さらに、日本人女性においてもHDPの中の「Gestational Hypertension」が将来の本態性高血圧に関連することを明らかにした(Watanabe M, et al: in press)。尿中8-OHdGは既知のHDP関連遺伝子多型であるアンジオテンシノーゲン遺伝子多型との関連についても検討を行う予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
J Atheroscler Thromb.
巻: - ページ: -
10.5551/jat.51664
IJERP