研究課題
妊娠初期トロホブラストにおける競合内在性RNA(ceRNA)による遺伝子発現制御ネットワーク解明と、その鍵となるceRNAの機能を明らかにし、さらに、妊婦血漿ceRNAの変動解析を行い、PEの予知予防戦略としての基盤研究展開を目的として研究を行った。①ceRNAの機能解明:昨年度の妊娠初期絨毛のRNA-seq解析から絨毛外栄養膜細胞に有意に変動しているceRNAとして鍵となるintergenic型長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)であるH19 lncRNAの解析を進めた。H19は、miRNA-675のpri-miRNA(miRNAの前駆体)でもあり、絨毛外栄養膜細胞株(HTR-8/SVneoなど)に、miRNA-675を過剰発現させることにより、癌細胞の増殖、浸潤、血管形成などを促進するケモカインCXCL12の発現が上昇し、細胞浸潤を促進することを見出した。miRNA-675が標的遺伝子のうち、CXCL12の発現を上昇させる複数の遺伝子候補を見出し、標的遺伝子の検証を進めている。また、ゲノムから転写されたRNAが網羅的に測定・解析された公開データベース(FANTOM5)を、独自にデータ処理を行い、ヒト胎盤に発現しているlncRNAを網羅的に検索し、発現解析した。約2000種類のlncRNAが発現していることがわかった。他の組織・臓器との比較解析を進めている。②ceRNAによる新規PE予知因子開発:昨年に引き続き、サンプル採取を進めるとともに、予備解析として、PE胎盤におけるceRNAの発現解析を行った。
2: おおむね順調に進展している
予定されていた機能解析・バイオインフォマティクス解析はおおむね予定通り進めることができた。
計画に沿って研究を進める予定である。
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