研究課題/領域番号 |
17K11264
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新倉 仁 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80261634)
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研究分担者 |
森 菜緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (90535064)
岡本 聡 東北大学, 大学病院, 臨床検査技師 (40420020)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子宮体癌 / センチネルリンパ節 / マイクロバブル造影 / 超音波 |
研究実績の概要 |
昨年度に放射性同位元素と色素をトレーサーとして用いた子宮体癌におけるセンチネルリンパ節同定症例に対して、深部に存在するセンチネルリンパ節であったが微小な血管を傷つけることなく血流は温存され、パワードップラーとマイクロバブル造影による超音波断層撮影が施行できることが確認できた。そのpilot studyの方法を踏まえて、今年度はパワードップラー、マイクロバブル造影による超音波断層撮影画像を取得後、センチネルリンパ節を生検し、超音波所見と病理所見を対比した。子宮体癌患者28例リンパ節56個に造影超音波を施行した。子宮体がん症例の背景は年齢の中央値は58歳、組織型は類内膜癌G1が10例、G2が9例、G3が3例、漿液性癌が3例、混合型が3例であった。臨床進行期はIA期10例、IB期5例、II気1例、IIIA期2例、IIIC1期6例、IIIC2期3例、IVB期1例であった。評価が可能であったリンパ節37個(うち陽性10個)で定量解析を行った。パイロット的に行った子宮頸がん症例でのPeak intensity of the maximum enhanced area (PI max) が優位に高値であったが、子宮体がんでは明らかではなかった。またPI ratioは転移陽性群で高い傾向を認めたが、有意差は示されなかった。採取されたリンパ節についての抗CD31抗体を用いての免疫組織染色による血管密度測定を転移巣の大きさ別に検討し、画像データとの比較検討も継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮体癌におけるセンチネルリンパ節の全体を4Dプローベを用いた術中超音波で尿化することにより、血管密度の定量解析を臨床応用することが最終目標である。昨年度に超音波画像の定量解析が可能であることが確認できた後に、順調に症例を集積することができた。また、その結果を解析することにより、Peak Intensity(max)とPeak Intensity(min)の比であるPI ratioが転移陽性群で高いという結果の病理学的裏付けとなるような血管密度の測定も開始できている。
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今後の研究の推進方策 |
現状の症例集積をさらに進め、Peak Intensity(max)とPeak Intensity(min)の比であるPI ratioが転移陽性群で高いという結果の病理学的裏付けとなるような血管密度の測定、転移巣の大きさ測定のデータもさらに集積して、総合的に解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成31年度請求額と合わせて平成31年度の病理組織の免疫染色のための消耗品に使用する予定である。
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