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2019 年度 実績報告書

生体親和性多孔性膜(ハニカム膜)による卵巣癌の新規治療と診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11267
研究機関山形大学

研究代表者

太田 剛  山形大学, 医学部, 講師 (50375341)

研究分担者 永瀬 智  山形大学, 医学部, 教授 (00292326)
清野 学  山形大学, 医学部, 助教 (40594320)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード卵巣癌 / ハニカム膜 / 腫瘍増殖 / RNA sequence
研究実績の概要

これまで行ってきたヒト卵巣癌細胞株(SKOV3ip1, ES2)をマウスに接種し、ハニカム膜による腫瘍増殖抑制効果を検討した実験では、SKOV3ip1細胞ではコントロール(ハニカム膜貼付なし)と比較してハニカム膜孔大で有意差を持って腫瘍増殖を抑制し、ES2細胞ではコントロールと比較してハニカム膜孔小で有意差を持って腫瘍増殖を抑制した。
本年度は、ハニカム膜の腫瘍増殖抑制効果のメカニズムを解明するため、SKOV3ip1細胞を接種したコントロール(ip1C)とハニカム膜孔大(ip1H)、ES2細胞を接種したコントロール(ES2C)とハニカム膜孔小(ES2H)から得られた腫瘍組織を用いてRNA sequence(RNA発現の網羅的解析)を行った。
発現遺伝子のヒートマップ解析ではSKOV3ip細胞から得られた腫瘍組織であるip1Cとip1Hでは大きな差異を認めたが、ES2細胞から得られた腫瘍組織であるES2CとES2Hでは大きな差異は認めなかった。また、Gene Ontology (GO)解析を行ったところ、ip1Cとip1Hでは上皮細胞の分化に関連した遺伝子発現や血管新生、細胞遊走、受容体リガンドなどの遺伝子発現に有意差を認めた。一方、ES2CとES2HのGO解析では、ステロイドホルモン受容体やステロイド結合およびにホモオリゴマー化に関連した遺伝子発現に有意差を認めた。これらの結果からSKOV3ip1細胞ではハニカム膜によって上皮細胞の分化に関連した因子や血管新生、細胞遊走、受容体リガンド低下によって細胞内signalingが抑制され、腫瘍増殖が抑制されると推察された。ES2細胞におけるハニカムによる腫瘍増殖抑制作用のメカニズムについてさらに検討をすすめている。

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公開日: 2021-01-27  

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