研究成果の概要 |
Doxil投与を受けた17症例のうち、5例において投与前から抗PEG IgM抗体が産生されていたが、Doxil投与後に新規の抗PEG IgM抗体産生症例は認められなかった。抗体陽性例では、Doxil投与翌日の血中抗PEG IgM抗体が有意に減少しており(0.04-0.2 ODR, p=0.001)、抗体が消費されていた。抗体陽性群5例と陰性群12例の間で、Doxil投与翌日の血中ドキソルビシン濃度に有意差はなく(40mg/m2群: p=0.931, 50mg/m2群: p=0.107)、また治療効果 (病勢コントロール率)やgrade 3/4の非血液毒性出現率にも有意差は認めなかった。
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