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2017 年度 実施状況報告書

腹膜に着目した子宮内膜症発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K11274
研究機関京都大学

研究代表者

谷 洋彦  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70615252)

研究分担者 佐藤 幸保  京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (00508236)
伊藤 美幸  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (00760951)
堀江 昭史  京都大学, 医学研究科, 講師 (30535836)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード子宮内膜自家腹膜移植 / versicanノックアウトマウス / ステロイドホルモン
研究実績の概要

子宮内膜症の発症機序となる子宮内膜細胞の腹膜細胞への生着について検討するのが今年度の課題であった。今回はこれまでの検討で得られた腹膜因子versicanの制御因子としてエストロゲン、プロゲステロンといったステロイドホルモンが関与するか検討した。腹膜中皮細胞株におけるER,PgRの発現はメッセージレベルでもその存在が確認されず、versicanの制御が腹膜においてはステロイドホルモンの制御下にない可能性が高いことが確認された。
同時に子宮内膜におけるversican発現状況を確認したところこちらには子宮内膜間質を中心にversicanが存在することが確認された。子宮内膜間質細胞は、子宮内膜症の発症において中心となる細胞と考えられており、腹膜因子であるversicanが腹膜と同様に子宮内膜にも発現していることで、腹膜に子宮内膜が接着浸潤する際に相乗効果を起こし病巣の伸展に関与している可能性が考えられた。そこでマウスを用いたin vivoでの子宮内膜自家腹膜移植モデルにおいて、子宮内膜、腹膜それぞれのversicanの発現を操作すると子宮内膜症の形成がどのように変化するかを確認することを目的とし、まず子宮内膜間質細胞においてversicanをノックアウトしたマウスの作成を開始している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

腹膜における分子の発現制御を行うべく、腹膜特異的にノックアウトできるマウスの作成を計画している.
Cre/LoxPシステムを用いて、このマウスを制作する予定であるが、versicanFLoxマウスが獲得できた一方、腹膜特異的な分子にCreを組み込んだマウスの作成が進すまず、計画しているマウスの獲得に達していない。

今後の研究の推進方策

現在進めているversicanを用いて腹膜因子の子宮内膜症形成への関与を確認するモデルを構築する事が本研究の目的の一つであり、versican以外の腹膜因子の同定が、本研究のもう一つの目的である。今後は確認モデルの構築と並行して、腹膜に於ける他の分子の発現状況を子宮内膜症を持つ女性と持たない女性の間で比較・確認し、子宮内膜症の発症に関わる腹膜因子の選択を行う。複数の候補分子が得られた場合はそれらが関与するパスウェイについても検討することで、直接分子を制御する以外に、その分子が関与するパスウェイを制御することが腹膜における子宮内膜症の形成に影響を与えうるかまずin vitroで確認する。子宮内膜症の発症をin vitroで抑えられた場合、当該の分子に対するブロッカーもしくは機能抗体が子宮内膜症の発症を抑える薬剤として臨床にて使用可能かマウスを用いてその安全性を検証することを計画している。

次年度使用額が生じた理由

(理由)当該金額では必要試薬の購入が難しく、次年度予算と併せて購入予定として繰越した。
(使用計画)次年度予算と併せて試薬代に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 当院における子宮内膜症を有する不妊治療患者への治療アルゴリズム化を目指して2017

    • 著者名/発表者名
      下仲 慎平、伊藤 美幸、古武 陽子、北脇 佳美、寒河江 悠介、上田 匡、谷 洋彦、堀江 昭史、万代 昌紀
    • 学会等名
      第28回 近畿エンドメトリオーシス研究会
  • [学会発表] 子宮内膜症の形成における腹膜因子の働きについて-Versicanに着目した発生機序へのアプローチ2017

    • 著者名/発表者名
      谷 洋彦
    • 学会等名
      子宮内膜症 若手医師セミナー in 米子
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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