研究課題
①子宮平滑筋肉腫細胞のPatient-derived xenograftsマウスの樹立 Patient-derived xenografts (以下、PDX)マウスは2例、樹立に成功し、腫瘍の免疫組織化学染色法を行いATP7Bの発現を解析したが、発現を認めなかった。膜蛋白質XはPDXマウス1例で発現を認め、膜蛋白質Xを標的とした検討を行うことができた。②膜蛋白質Xに対するAntibody-Drug Conjugate (ADC)の作成 膜蛋白質Xの中和抗体をLMS細胞株であるSK-LMS-1に投与したところ、7日目に28.5%の増殖抑制が認められたが、Xenograftモデルでは有意な効果を認めなかった。そのため、膜蛋白質Xの中和抗体にMonomethyl auristatin EをconjugateしたADCを作成した。③ATP7Bの作用を阻害する因子としてCuSO4を同定した 我々はCuSO4の前投与を行わなかったSK-LMS-1細胞ではCisplatinの50%阻害濃度 (IC50)値は17.5 microMであったが、CuSO4を暴露した後にCisplatinを投与した群ではIC50が3.7 microMと著明に改善することを見いだした。加えて、CuSO4は低濃度では細胞傷害性を示さなかった。④CuSO4前投与によりSK-LMS-1 XenograftモデルにおいてCisplatin 耐性が改善した SK-LMS-1 XenograftモデルにおいてCisplatin投与は有意な腫瘍抑制効果を認めなかった。しかし、CuSO4 1mg/kgを Cisplatin投与する3時間前に前投与した群ではCisplatin投与は有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた。これらの結果からCuSO4はXenograftモデルにおいてもLMSのCisplatin耐性を改善させることを示した。
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Am J Obstet Gynecol
巻: 222 ページ: 64.e1-64.e16
10.1016/j.ajog.2019.07.030