研究実績の概要 |
正常子宮内膜と子宮体癌組織におけるmicroRNA130ファミリー(MIR130A, MIR130B, MIR301A, MIR301B, MIR454)の発現をTaqManプローブ法にて調べた。MIR130A, MIR130B, MIR454は癌組織に比して正常組織で高く、MIR301A, MIR301Bは正常組織と癌組織で有意差が見られなかった。癌組織においてはMIR301A, MIR301Bが早期に比して進行期において有意に高値を示した。癌組織においてmicroRNA130ファミリーとBHLHE40とBHLHE41の発現の発現量を比較すると、MIR454以外で有意な逆相関を示した。次に細胞株を用いた解析を行った。BHLHE40とBHLHE41の両方を発現している子宮体癌細胞株HHUAにMIR301Bのmimicを遺伝子導入して強制発現させると、BHLHE40とBHLHE41のタンパク発現が低下した。MIR301Bだけでなく、MIR130A, MIR130B, MIR301Aのmimicを導入しても、BHLHE40とBHLHE41のタンパク発現は低下した。また、MIR301B のmimicをHHUA細胞に導入すると、細胞増殖が上昇し、上皮間葉移行・細胞浸潤能が上昇した。BHLHE40とBHLHE41の両方をノックダウンまたは3`UTRを持たないBHLHE40とBHLHE41を過剰発現させると、MIR301B のmimic による効果が抑制された。BHLHE40とBHLHE41の3’非翻訳領域を組み込んだルシフェラーゼレポーターを作成し、MIR301Bのmimicと共にHHUA細胞に導入するとレポーター活性が低下し、inhibitorと共に導入すると活性が上昇した。また、変異体レポーターを作成し3’非翻訳領域のMIR301Bが作用する配列領域を同定した。
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