研究課題/領域番号 |
17K11280
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
浅野間 和夫 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30380413)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 子宮体癌 / 上皮間葉移行 / マイクロRNA / 転写調節 |
研究実績の概要 |
昨年度までの研究で臨床検体を用いた解析で、BHLHE40/BHLHE41の発現とMIR130 familyの発現が逆相関をすること、MIR130 familyのmimicを子宮体癌細胞株HHUA細胞に遺伝子導入すると、上皮間葉移行と細胞浸潤能が促進し、BHLHE40とBHLHE41のいずれのタンパク発現が抑制されることを見出した。また、レポーター解析を用いて、BHLHE40/BHLHE41の3’非翻訳領域のMIR301Bが作用する配列領域を同定した。 本年度はMIR130 familyがBHLHE40/BHLHE41に直接作用していることを確認するため、MI301Bにbiotin修飾したmimicをHHUA細胞に遺伝子導入し、streptavidinで被覆した磁気ビーズでpull-down解析を行った。 次にMIR301BとMIR130Bは約250bpを隔ててタンデムに並んでおり、共通の転写発現機構を有すると考えられたため、このMIR301B-MIR130Bクラスターに注目して研究を進めた。MIR301B-MIR130Bクラスターのプロモーター領域を用いてレポーター解析したところ、BHLHE40/BHLHE41により(特にBHLHE41)レポーター活性の抑制を認めた。また、BHLHE40/BHLHE41を強制発現、またはノックダウンすることにより、MIR301B、MIR130Bの発現はそれぞれ発現抑制または発現上昇した。 また、MIR301BとMIR130Bを発現抑制することで、BHLHE40/BHLHE41の発現が上昇するかどうかを子宮体癌細胞株HEC-1、HEC-6を用いて解析した。MIR301BとMIR130Bの阻害配列をHEC-1、HEC-6細胞に遺伝子導入したところ、特にMIR301BとMIR130Bの両方を阻害した場合、BHLHE40とBHLHE41の発現が上昇した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮体癌組織検体を用いた発現解析を行い、細胞株を用いたin vitroの詳細な機能解析を行った。現在、国際誌に投稿中である。現在のところほぼ予定通りである。
|
今後の研究の推進方策 |
In vitroの解析が終了したため、マウスを用いた in vivoの解析に移行する予定である。また、マイクロアレイを用いて子宮体癌細胞におけるMIR130 familyの標的遺伝子の検索も行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
理由:実験をできるだけ計画的に実施し、業績を上げることを目指したが、当初の計画と実施状況が前後している部分がある。このため、次年度使用額が生じた。 利用計画:平成31年度は免疫不全マウスを用いた in vivoの解析に移行する。また、子宮体癌細胞におけるMIR130 familyの標的遺伝子の検索のため、マイクロアレイ解析も行う予定である。
|