現在の治療薬の約35%がGPCRを標的としているが、それらの治療薬が標的としているのは、GPCR全体の約15%に過ぎない。また、ヒト癌組織で発現を認めるGPCRのうち140種以上についてはリガンド分子やその機能が不明であり、興味深いことにそれらの多くはGa13とcouplingすることが報告されている。シグナル選択的なGPCRアンタゴニストや、GPCRシグナルを間接的に阻害するアロステリックタンパクなど、新たなコンセプトに基づく治療薬が開発されつつある現状を考慮すると、本研究の成果が癌に対する新たな治療法の開発につながることが期待でき、社会的意義は大きいものと考えられる。
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