研究課題
本研究ではこれまで同定してきたHPVのE6,E7蛋白由来の抗原ペプチドを用いCTL-based HPVワクチン、を作成したが、本研究では子宮頸がん幹細胞(Cancer stem-like cells/cancer initiation cells)からこれらの特有な蛋白を同定し最終的にワクチン作成を目標とした。これまで子宮頸がん幹細胞分画を3次元パイ用から得られるSphereを利用し作成した。得られたSphereよりRNAを回収してSOX,NANOG,POU5FI,KLF4といった幹細胞関連遺伝子を定量的RT-PCRにて解析し、これらの遺伝子が高発現していることを確認した。得られた候補cDNAより子宮頸がんに特異的に発現しているcDNAをピックアップし、子宮頸がんでの発現を当科で治療を行った進行子宮頸がん症例において、免疫組織化学および定量的RT-PCR法にて確認した。これらの蛋白の発現さらに、と子宮頸がんの予後など悪性度と相関している音が明らかになった。cDNAマイクロアレイを用いて癌幹細胞様分画のSphere優位に発現する癌幹細胞抗原の候補を網羅的にスクリーニングした。既知のCT antigenが11種類候補としてのぼり、その中でCTCFL/BORISという遺伝子に着目した。子宮頸がんにおけるBORISの機能を解析するためsiRNAによるBORISのノックダウンを行ったところ、スクランブルRNAではSphereが数多く形成されるのに対しBORISノックダウン細胞では著明にsphere形成が抑制されBORISの癌細胞の自己複製能への関与が示唆された。この結果を基に、癌幹細胞に発現するBORISのsubfamilyの発現を確認するため、RT-PCRで子宮頸がん細胞株であるCaSki,MS751における発現をみたところ、子宮頸癌ではBORIS sf1,4,6がspheroid優位に発現していることが明らかになった。
3: やや遅れている
子宮頸がん幹細胞(Cancer stem-like cells/cancer initiation cells)からこれらの特有な蛋白を同定しがん幹細胞特異抗原としてBORIS variant subfamily 6 (Brother of the regulator of the imprinted site (BORIS) variant subfamily 6)を同定し、この蛋白がspheroid形成など子宮頸がんにおいて幹細胞としての性質を持つために重要な役割を果たしていることを示すことができたが、これを用い有効なCTL誘導ペプチドの作成でやや停滞している。
今年度が本研究の最終年度になるが、引き続き有効なCTL誘導ペプチドの設計とその解析に努める。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Exp Mol Pathol
巻: 106 ページ: 78-88
10.1016/j.yexmp.2018.11.013.