研究課題/領域番号 |
17K11285
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90145566)
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研究分担者 |
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20301400)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / ワクチン療法 / がん幹細胞 |
研究実績の概要 |
これまでのがん幹細胞に関する研究は、細胞増殖能、腫瘍形成能、浸潤能、抗がん剤耐性など、がんの悪性腫瘍としての機能の全てを一つのがん幹細胞やがん幹細胞遺伝子で説明しようとするものが多いが、がんのheterogeneityを考慮した際に、この理論には疑問を感じざると得ない。そこで、今回我々は癌の進行には複数の種類のがん幹細胞(cancer stem-like cells: CSCs)が関与しているのではないかと仮説を立てた。 本研究は、single cell revelでの癌幹細胞の機能解析を目指してがん幹細胞クローンを作成し、がん幹細胞の機能的な多様性を明らかにすることができた。また、がんの進行や治療抵抗性のメカニズムを明らかにすることで、新規の治療戦略の構築が、本研究の大きな目標であり、この点に関して証明することが出来次なる研究の足がかりを得ることができた。加えて得られた癌幹細胞を用いて特異的抗原を探索し癌の免疫療法の基礎的データを得るところまでを今後の研究の課題とすることができた。 本研究で特筆すべき結果として本研究で得られたsingle cell revelでの癌幹細胞の機能解析を目指してがん幹細胞クローンを作成し、がん幹細胞の機能的な多様性を明らかにすした。がんの進行や治療抵抗性のメカニズムを明らかにすることで、新規の治療戦略の構築が、これからの大きな目標でとなった。癌が発生する過程でゲノムレベル、エピゲノムレベル、がん微小環境の多様性により機能的にheterogeneityな細胞集団を形成する。また、アポトーシスをはじめとした正常機能の喪失や上皮間葉転換などの新たな機能を獲得するという意味では、経時的に考えても不均一である。今回我々は「癌の進行には複数の種類のがん幹細胞が関与しているのではないか」と考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は最終年度であるが目的である子宮頸癌の癌幹細胞を分離し、これを元に幹細胞の多様性の検討し、これを論文課することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究の最終年度であるが、本研究で得られた知見および幹細胞を基にワクチン開発あるいは幹細胞に対する標的療法の研究をすすめてゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度に研究成果発表目的の国際学会の旅費および参加費として使用予定であったが、新型コロナ感染症の広まりにより、学会が中止となり研究費の使用が不可となった。予算は次年度、しかるべき国際学会にて発表するために使用の予定である。
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