研究課題
子宮頸癌の癌幹細胞分画の分離方法は報告が少ないが、本研究では3次元培養から得られるSphereを利用し、得られたSphere細胞よりRNAを回収し、SOX2, NANOG, POU5F1, KLF4といった幹細胞関連遺伝子を定量的RT-PCRにて解析した。得られた癌幹細胞様分画のSphere優位に発現する癌幹細胞抗原の候補についてcDNAアレイを用いて網羅的にスクリーニングを行い、得られた候補cDNAより子宮頸癌により特異的に発現しているcDNAをピックアップして以後の実験に用いた。子宮頸癌での発現:また、ピックアップされた遺伝子あるいは遺伝子産物が実際に子宮頸癌で発現しているかについて調べるために、当科で治療を行った進行子宮頸癌症例において免疫染色あるいは定量的RT-PCRを用いて発現を確認した。さらにこれらの発現と病理学的・臨床的因子と組み合わせて癌の悪性度との比較を行い、得られたがん幹細胞が抗がん剤耐性、高浸潤能を有していることが明らかになった。平成30年度には、日本人ではHLAのA LocusではA24を有している割合が56%と最も高く、ペプチドワクチンを作成するうえで最も効率が良いと考えられ得られたcDNA産物をターゲットとして研究を進め、これらの蛋白の塩基配列からHLA-A24結合モチーフを持つペプチドを合成した。これらを用いて特異的な細胞障害性T細胞による癌免疫を誘導しうるエピトープを検索しこの一部が末梢血単核球のうちCD8-細胞をPHA刺激により抗原提示細胞であるPHAblastに誘導し、ペプチドパルスしたうえでCD8+細胞を激し、特異的なCTLの誘導することが明らかになった。本研究はExp Mol Pathol. 2019 Feb;106:78-88.で報告し、2020年日本癌学会で発表した。
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Med Mol Morphol.
巻: 54 ページ: 14-22
10.1007/s00795-020-00254-6.