研究課題/領域番号 |
17K11289
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮城 悦子 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40275053)
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研究分担者 |
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長 (00254194)
荒川 憲昭 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (60398394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / TFPI2 / 血液凝固 / 血栓症 / 前向き観察研究 / トランスレーショナルリサーチ |
研究実績の概要 |
1.医師主導の前向き観察研究について 卵巣明細胞癌の病状と血清Tissue Factor Pathway Inhibitor 2 (以下TFPI2)値の相関を明らかにすることを目的とした前向き観察研究を2018年6月11日付で倫理委員会承認を受け開始した。2018年6月より横浜市立大学附属病院および奈良県立医大の対象患者から1~6回の採血が行われている。COVID-19問題で奈良県立医大の検体との統合解析ができていないが、2020年7月に検体採取を完結できる見通しである。 2.トランスレーショナルリサーチについて TFPI2免疫染色:外科切除卵巣明細胞癌組織の組織検体を用いて、免疫染色によるTFPI2タンパク質の発現解析を行った。TFPI2の発現は、明細胞癌特異的に細胞質、一部の症例では核に認められ、他の組織型と鑑別する上で、優れたマーカーとなる可能性が示唆された。TFPI2の発現解析には、細胞質と核における発現をAperio’s annotation software (Leica)を用いて自動解析し、スコア化する手法を確立し、現在論文投稿中である。 酸化ストレスに関する研究:嚢胞内溶液のヘモグロビン分子種を同定するために、吸収スペクトル測定を行った。腫瘍内溶液の研究からチョコレート嚢胞内溶液とCCCでは、酸化ストレス・抗酸化能のアンバランス、すなわちレドックスバランスの破綻が癌化に関与する可能性が示された。 TFPI2の血液凝固系への影響に関する研究:ヒト血漿プラスミンに対する親和性には、胎盤(HVT)由来のTFPI2と卵巣明細胞癌(OVMANA)のTFPI2には大きな違いはないことが明らかになった。
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