研究課題/領域番号 |
17K11296
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
太田 剛志 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80407254)
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研究分担者 |
寺尾 泰久 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00348997)
野島 美知夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (50198595)
金田 容秀 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60445517)
荻島 大貴 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90327784)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 産婦人科 / 子宮体癌 / 個別化医療 / リンパ節転移 / バイオマーカー / リスク評価 |
研究実績の概要 |
子宮体癌は原発巣の進展度と組織悪性度に基づいて再発リスクを評価し、低中リスク群と高リスク群に分類され、治療方針が決定される。術前にこの分類が正確に診断できれば、術式決定の個別化に大きく寄与しうるが、術前の病理診断および画像診断にはその判定の正確性には大きなばらつきがある。そこで、先行研究において実施されたCAGEデータから子宮体癌再発リスクに相関する遺伝子候補の抽出を実施した。さらにこれらの候補に関して、公開データベースの一つであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)のデータを用いた有意性の検証を行い、データベース上も2つの再発リスク群間で発現に有意差を認めることを確認した。これらのデータ解析より合計5遺伝子を候補として抽出した。これらの候補遺伝子の有効性検証方法としては、術式決定は術前に行う必要があることを考慮し、簡便かつ臨床応用が可能な判別方法として免疫染色による判別可能性を検証した。染色は、染色強度と染色占有率を組み合わせたAllred scoreを用いて判定を実施した。この結果、2つのホルモンレセプターのAllred scoreを組み合わせることで、低中リスク群と高リスク群の2群をAUC79%の精度で識別可能であった。さらにこの識別を病理組織型のみに特化した場合、類内膜腺癌Grade1および2とそれ以外の組織型とを識別する場合、AUCは最も高精度である91%となることが示された。実際に類内膜腺癌Grade1および2とそれ以外の組織型では予後の差も大きく、臨床上もこれらを正確に判別することは非常に有用であることが考えられた。術前での生検検体における診断精度は施設ごとの差が大きく、これらを補完する意味でも臨床的にコンパニオンマーカーとなる可能性が示唆された。
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