ヒトパピローマウイルスの癌タンパク質E7はAPOBEC3B遺伝子の発現を誘導することが知られているが、その分子機構は明らかでない。本研究により、E7がRbへの結合及び分解を介して、細胞転写因子TEAD4の発現誘導を引き起こすことが示された。TEAD4はAPOBEC3B遺伝子の発現に関与することから、E7はTEAD4を介してAPOBEC3Bを誘導することが示唆された。また子宮頸癌の進展リスクが異なる三つのHPV16バリアント(A1、A4、A5)がコードするE7は、それぞれ異なる細胞遺伝子群を変動させることが明らかになった。
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