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2017 年度 実施状況報告書

ARID1A欠失型卵巣明細胞がんにおける患者モデルの確立-新規治療法有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K11310
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

加藤 友康  国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (50224522)

研究分担者 荻原 秀明  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (40568953)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードARID1A / 患者由来細胞株 / 分子標的治療 / 卵巣がん / 卵巣明細胞がん
研究実績の概要

本研究では、国立がんセンター中央病院婦人腫瘍科で手術を施行された卵巣がん患者由来モデルを用いて、病理組織学的、ターゲットシークエンスによる遺伝子検索を行う。さらに、これらの卵巣がん患者由来のモデルを用いて我々の同定したARID1A変異がん選択的阻害剤の有効性について検討する。
今年度は、国立がんセンター中央病院婦人腫瘍科で手術を施行された卵巣がん患者由来の検体を用いて、①卵巣がん患者由来細胞株モデルの確立と、②その確立された卵巣がん患者由来モデルが元の卵巣がん腫瘍の特徴の比較および遺伝子変異検索を検討した。
①卵巣がん患者由来細胞株モデルの確立において、以下の2つの方法で検討した。A:腹水および腫瘍内容液に含まれる腫瘍細胞を密度勾配遠心しEpCAM抗体による上皮由来の腫瘍細胞を抽出しプレートに播種する。B:手術で摘出した腫瘍を細かく裁断しプレートに播種する。培地は、DMEM+F-12 MediumおよびConditioning Medium (Liu et al. Am J Pathol 2012. Sato and Clevers, Cell 2015.)の2種を用いた。上記の検討の結果、A:DMEM+F12では2種、A:Conditioningでは3種の安定的に培養できる卵巣がん患者由来細胞株を樹立することができた。
②明細胞卵巣がん患者細胞株が元の卵巣がん腫瘍の特徴を比較するために病理組織学的に検討するために、組織免疫染色法によりARID1A、HNF1-β(明細胞卵巣がんのバイオマーカー)、H&E染色を行った結果、原発巣由来組織と細胞株では同等の形態学的特徴を有することを明らかにした。さらに、がんに関連する100遺伝子(ARID1A含む)のターゲットシークエンスを行った結果、5種中4種でARID1Aの欠損型変異を有することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に則り研究がすすんでいるため。

今後の研究の推進方策

今後も卵巣がん患者由来細胞株の樹立を検討する。細胞株を実際に実験に使用する際には安定的に細胞増殖する必要があるため、DMEM+F12メディウムで培養できる卵巣がん患者由来細胞株をより多く樹立することを目指す。ただし、この場合樹立成功率はわずか10%であるため困難が予想される。しかし、明細胞卵巣がんは手術症例数も少ないため、漿液性卵巣がんや類内膜卵巣がんの症例も含めて樹立を検討する。
また、上記の樹立した卵巣がん患者由来細胞株モデルを用いて、先行研究で同定したARID1A変異がん選択的化合物に対する細胞増殖抑制作用や抗腫瘍効果を検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由:実験計画で予定していた動物実験よりも細胞実験に重点して研究を進めたため。次年度の使用計画は、動物実験や薬剤感受性試験に使用する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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