研究課題/領域番号 |
17K11312
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
岸部 幹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80447101)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ANCA関連血管炎 / ANCA関連血管炎性中耳炎 / 耳鼻咽喉科 / 難治性中耳炎 / 多発血管炎性肉芽腫症 |
研究実績の概要 |
2013年のANCA関連血管炎性中耳炎に関する全国調査(後ろ向き調査)で登録症例の多い22施設を対象として症例を集積した。エクセル表に臨床情報を入力してもらい各自でDrop Boxに入れる形で集積した。また、これら登録された症例については、前向き調査で定期的にエクセル表に臨床情報を入力し、再燃、経過について登録後の症例をフォローしている。現在130症例が集積されている。この130症例について簡単に検討した。ANCA型では、PR3-ANCA陽性が18例(14%)、MPOANCA陽性が91例(71%)、両ANCA陽性が4例(3%)、両ANCA陰性が15例(12%)であった。これまでの報告通り、MPO-ANCA陽性が最多であった。また、どの臓器か ら初発したかを検討したところ、中耳初発型が88例(72.7%)と最多であったが、中耳炎を伴わない内耳炎初発型を11例(9%)に認め、他臓器から初発した他臓器初発型も16例(13%)に認めた。また、側頭骨以外の上気道から初発した例は6例(5%)であった。よって、中耳炎以外から初発する症例を27%に認めた。また、ANCA関連血管炎性中耳炎に特徴的な肥厚性硬膜炎の合併は17例(13%)に認めた。これら症例につき、今後も経過をフォローしていく。また、新規の症例も集積していく予定である。また、自施設症例では7例で、初診時血清、再燃時の中耳貯留液を採取、集積した。これらを用いて、新たな疾患マーカーの同定などを検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例集積の登録表の変更(3T造影MRIによる内耳炎の評価、BVAS(バーミンガム血管炎活動性スコア)、VDI(血管炎障害指標)の項目を追加)をしたため、各関連施設の倫理委員会を再度通すのに時間がかかった。これにより、再度、集積した症例を登録しなおしているため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
症例の全国からの集積を速やかに行う。本年度の学会等で協力施設に依頼する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例登録に遅れが生じているため。使用計画については、以下の費用に充当する。1.血清、中耳貯留液を用いた、疾患特異的マーカーの模索。2.症例をまとめ、統計学的解析を行い、英語論文化し雑誌に投稿する。
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