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2017 年度 実施状況報告書

自己幹細胞誘導を用いた中耳粘膜再生による中耳真珠腫根治治療へ向けての研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K11313
研究機関山形大学

研究代表者

伊藤 吏  山形大学, 医学部, 准教授 (50344809)

研究分担者 窪田 俊憲  山形大学, 医学部, 助教 (80536954)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード真珠腫性中耳炎 / 中耳粘膜 / モルモット / 再生医療
研究実績の概要

中耳粘膜の再生を病理学的に評価するに当たり、以下の手順で、側頭骨中耳粘膜を採取し、凍結標本の作製を試みることとした。
まず、モルモットを4%PFAで還流固定した後に、側頭骨を取り出し、一晩4%PFAにつける。その後、側頭骨全体をまるごと脱灰機にて脱灰し、側頭骨を内側(蝸牛がある側)と外側に分ける。中耳粘膜の断面が見える向きにOCTコンパウンドに包埋し、-80℃で凍結させ、クライオスタットで切り出し、凍結標本を作製する。
以上の操作を確立した後、実際に側頭骨中耳粘膜の病理学的評価を始めた。まず、手術操作を加えていない側頭骨で凍結標本を作製し、HE染色で評価したところ、粘膜と思われる層が一層確認できた。
次に、モルモット中耳の粘膜再生について確認するために、耳後切開アプローチによる側頭骨耳包を露出・開放した後に、側頭骨中耳粘膜を機械的に掻爬したモデル、さらに掻爬部にトリアムシノロンアセトニド含浸メドジェル留置モデル、トリアムシノロン含浸ゼルフォーム留置モデル、High Mobility Group Box 1(HMGB1)含浸メドジェルを留置したモデルを作製した。4週後にHE染色を施行したが、いずれのモデルでも、組織学的に肉芽組織や中耳粘膜上皮の違いをはっきりと同定することができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

モルモットの中耳粘膜はヒト中耳粘膜と比較して薄いために、標本作製時に粘膜が剥がれやすい。また、ヒト中耳とことなり、モルモットでは乳突蜂巣が発達していないため、中耳粘膜操作に工夫が必要であった。この手術手技および組織標本作製の安定までに時間を要した。

今後の研究の推進方策

耳後切開によるアプローチで掻爬した中耳粘膜欠損部にHMBG1およびその他の成長因子を、投与量を振って実験を行い、H-E染色では粘膜の上皮化の有無、浮腫や瘢痕の程度を評価し、正常中耳粘膜との比較を行う。免疫組織染色では、間葉系間細胞マーカー、上皮細胞マーカー、非上皮系細胞マーカー、細胞外マトリックスや基底膜マーカー、炎症性サイトカインの発現になどを検討し、HMGB1や栄養因子を用いたMSC誘導による中耳粘膜再生について多面的に評価する。

次年度使用額が生じた理由

初年度に購入予定としていたテレスコープを未購入であったが、耳後切開による薬剤投与の実験が進んだあとには、経外耳道的内視鏡下操作による薬剤投与実験に移行し、その際にはテレスコープの購入が必要となる。

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公開日: 2018-12-17  

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