モルモット蝸牛内へ通常電極およびデキサメタゾン溶出電極を挿入後の蝸牛内遺伝子発現パターンを解析し、ステロイド持続投与の効果を検討した。蝸牛内への通常電極挿入後には、電極挿入による蝸牛構造損傷や有毛細胞などの神経伝達障害が生じ、それに伴って炎症性サイトカインなど様々な遺伝子の発現変化を生じていた。しかしデキサメタゾン溶出電極を用いることで、遺伝子発現変化が抑制され、特にTNF-αやIL-1βなどの神経細胞障害性を持つ炎症性サイトカインの発現が抑制されていたため、蝸牛内の有毛細胞などを保護する効果があると考えられた。 マウスを用いた長期電極留置による蝸牛内の機能的、形態的検討実験は中止となった。
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