研究課題/領域番号 |
17K11328
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松尾 聡 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40219390)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 下半身陽圧 / 歩行 / リハビリテーション / 前庭障害 |
研究実績の概要 |
下半身陽圧(LBPP)歩行装置を用い、歩行運動を健康成人と前庭障害患者に行い、下半身陽圧負荷が歩行運動機能、循環機能、自律神経機能に及ぼす影響を検討している。 健康例で、歩行解析を行った結果、LBPP負荷によって見かけ上の体重を30-40%減量したとき、歩幅に変調をきたし、歩幅が大きくなる傾向がみられた。この時、体重が軽減した感覚は、被験者は全員に自覚できた。LBPP負荷によって両下肢にかかる負荷が減るため、体性感覚入力が変調していることが原因と考えられるが、この変化を点数化することを検討している。 末梢性前庭機能障害者では、健常者と同じ速度で歩行することが困難なことがわかり、歩行速度を低速(1.5~2.0㎞/時間)で行っている。前庭機能障害者の場合も、体重が軽減した感覚は自覚できる。歩行パターンはLBPP負荷前後で変化するようである。しかしまだ症例が少なく、健常人との明らかな差異が判別できない状況である。LBPP負荷前後の歩行パターン変調の差異について現在解析中である。 現時点ではLBPP歩行装置を用いることで、末梢性前庭機能障害者においても容易に歩行運動ができており、安全に使用できることが分かった。今後症例を増やし、LBPP歩行装置による体性感覚入力の変調が、末梢性前庭機能障害者の歩行運動に及ぼす影響と、そのリハビリテーション効果を明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
末梢性前庭機能障害者の研究参加がやや少ない。
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今後の研究の推進方策 |
末梢性前庭機能障害者の研究参加数を増やすことに力をいれて研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費、謝金に使用する。歩行変化をさらに正確に評価するため、加速度計、距離センサを加えて検討したいため、購入費に充てる。
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