内リンパ系を調節している内リンパ嚢におけるイオン輸送を詳細に調べることで、内リンパ過多によって生じるメニエール病などの新たな治療法開発を目指して研究を進めている。以前は不可能であった、内リンパ嚢からの微量なmRNA抽出・定量に成功し、さらに3つの部位別に解析することに成功した。減塩食モデル動物の内リンパ嚢中間部では、ナトリウム-カリウムポンプ、上皮性ナトリウムチャネル、サイアザイド感受性Na-Cl共輸送体すべての発現が有意に多かった。減塩食では、内リンパ嚢、特に中間部においてNa輸送が活性化され、内リンパ吸収が活性化されることで内リンパ水腫が改善する可能性が示唆された。
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