急性耳鳴が発生した状態で、聴覚野の音情報処理がどのように変化するかを電位感受性色素による光学的計測法を用いて解析した。聴覚野の音のタイミング処理を調べるため繰返し音、周波数処理を調べるためFM音を付加しサリチル酸の影響を調べた。サリチル酸過剰付加で急性耳鳴りを生じた状態では左右の特性が同じになり、左右差が消失した。次にサリチル酸付加後の過渡期におけるFM音刺激による聴覚皮質応答を周波数バンド解析で調べた。サリチル酸過剰投与により30分後に下行FM音刺激に対する周波数バンド応答が同期し、全周波数バンド応答で振幅が減少した後、中間周波数バンド応答が復活した。下行FM音ではoff応答のみ残った。
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