研究課題/領域番号 |
17K11340
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
北原 糺 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30343255)
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研究分担者 |
岡安 唯 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10596810)
山下 哲範 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (50588522)
阪上 雅治 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50745437)
伊藤 妙子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60623486)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 耳鳴動物モデル / サリチル酸 / 逃避行動実験 / 侵害受容体 / らせん神経節 / 分子生物学 / 電気生理学 |
研究実績の概要 |
サリチル酸の大量投与によりヒトおよび小動物に耳鳴を引き起こすことが、以前より電気生理学的に報告されていた。しかしながら、それらの電気生理学的反応が果たして耳鳴そのものなのか、懐疑的議論も多かった。 そこで我々は、アクリル板で仕切られた入れ物の底面に微弱な電流を流す、動物行動学的逃避実験装置を用いて、ラットを用いたサリチル酸耳鳴動物モデルの作成に成功し、その際にらせん神経節において発現上昇する侵害受容体TRPV1がサリチル酸耳鳴分子マーカー(mRNA、タンパク)として利用可能であることを証明した。これと並行して、マウスを用いても実施可能か否か、検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の当医局の入局者がゼロ人であったため、大学院希望者の進学を急遽1年先に延期せざるを得なかった。今年度は無事、本研究に集中的に従事する大学院生の進学が決定し、基礎医学教室とコラボレーションも決定している。進捗が期待できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
実験系がノックアウト・マウス利用へ発展することを考慮し、現在のラット用の動物行動学的逃避実験装置をマウス用に改良し、条件付け設定を確立する。アクリル板で囲まれた箱の床面正中を、マウスが簡単に越えられるような高さの板で仕切り2部屋にする。両部屋とも床から数cmの高さに、通電可能な金属グリッドを、マウスが落ちない間隔で縦に渡す。床グリッドへの通電は手元の制御装置にて、電流調節および両部屋へ切り替え可能とする。音刺激は天井面正中、2部屋の仕切り直上よりスピーカーにて流され、dB、Hzとも手元の制御装置にて調節可能とする。条件付けはラットの場合と同様、60dB、16kHzの純音を用いて、10回の試行のうち何回正確に逃避するか(score:%)および10回の試行のうち音刺激のないときに何回間違って逃避行動を起こすか(false positives:回)を記録する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度の当医局の入局者がゼロ人であったため、大学院希望者の進学を急遽1年先に延期せざるを得なかった。平成29年度は実験を実行する人材が不足したため、予定通りの進行状況とは言えず、したがって科研費の消費も過小傾向であった。 平成30年度は無事、本研究に集中的に従事する大学院生の進学が決定し、基礎医学教室とコラボレーションも決定しているため、進捗が期待できると考える。
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